前回はSuper OCDのパーツや基板レイアウトについて紹介しました。
基本的にはOCDなので回路解説は簡単にしますが、改良の方を主に解説していきたいと思います。
回路図
これがSuper OCDの回路図です。
一般の方がMODしたものらしいですが、英語なので海外の方でしょう。よくできていると思います。一時期自作界隈では話題になるレベルで作られていた記憶があります。
変更点としては、
- オペアンプがOPA2134という広帯域ローゲインローノイズの高性能オペアンプに替わった。
- 18に内部昇圧されている。
- オペアンプの増幅部にBassツマミが追加。
- クリッピングダイオードの1N34が無くなって対象クリップに、中間電圧とクリッピング用MOS-FET間に可変抵抗を入れてサチュレーションツマミを追加。
- 残りのオペアンプユニットの低倍率ブースターを通常のブースターに変更。
- トーンツマミの可変抵抗を信号ラインに直列に変更。
- トーンを変化させるトグルスイッチが無くなった。
- なぜか発振防止用コンデンサの容量が減少。
- その他定数変更。
こんなところでしょうか。他は殆どOCDのままですが、負帰還のコンデンサの容量が変わってるので音色も結構変わってきていると思います。
細かい点はOCDの記事を参考に(;^ω^)
改良
とりあとりあえずの問題点は、先ほどの変更点のマーカーをしている部分です。
改善点その1 オペアンプと電源
まずオペアンプがOPA2134という広帯域ローゲインローノイズの高性能オペアンプに替わった。の何が問題かというと、帯域が広いというのが問題です。
いやいや、広帯域ならギターの音が全部出音出来そうでいいじゃん、と思いますよね。
まあそうと言えばそうですが、場合によってはデメリットの方が大きいです。
広帯域になると、例えば高周波のノイズがあったりするとそれも増幅されて発振したりノイズの原因になります。
ということは、適当なパターン設計や内部配線だと発振してしまう確率も高まって、発振せずとも不要なノイズが発生するという事なんですよね。
なのでちょうどいい帯域のオペアンプの使用が、結果的に良かったりします。
ですが高性能なオペアンプを使うとローノイズになるのは確かなので、配線やパターン設計に自信があれば使ってみるのもいいかもしれません。
とは言えOPA2134は広帯域の割に位相が安定しているので発振しにくいオペアンプ(広帯域なだけのオペアンプだと大抵発振します)ですが、前回紹介した基板レイアウトだとかなり配線を引き回しているので間違いなくノイズが乗ると思います。
8Mhzも扱えるオペアンプにこれはないですね。
4558DDなら扱える帯域も低めなので大丈夫でしょう。
もしOPA2134を使うならまず基板レイアウトの変更が必要です。
すでに作ってしまっているなら、オペアンプの足のGNDと電源間に0.1μのセラミックコンデンサを入れましょう。4番ピンと8番ピンの間です。
あとは中間電圧の配線も長く、これも不安定さの要因になっているので10μを100μぐらいにするといいです。
電源とオペアンプに関してはこれぐらいで、最後はトーン回路についてです。
改善点その2 トーン回路
出力前のトーン回路ですが、ここはOCDのトーン回路に戻した方がいいです。
Super OCDのトーン回路だとボリュームを上げた時に後段に繋ぐ機材でトーンの効きがかなり変わってくるので、組み合わせでそんなに音が変わってしまっては使いにくいです。
ついでにVolumeの500kBもハイ落ちする値なので10k~100kが良いでしょう。Bカーブでもいいですが、Aカーブの方が人の感覚に近いです。
OCDについているトグルスイッチはお好みで増やしてもいいと思います。抵抗2本とトグルスイッチだけですからね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
改良すれば本当の進化版と言えると思います。自作でしか手に入らない歪みなので皆さんもぜひ作ってみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでくださってありがとうございました(^▽^)/
コメント