【徹底解説】Vemuram Jan Rayの自作 製作編

前回Jan Rayの回路図について解説しましたので、今回は実際に作ってみようと思います。

Jan Rayだけでなくどんなエフェクターを作るときにも使えるテクニックも書いているので要チェックです。

ちなみにJan Rayはツマミが4つと穴あけが少々大変ですが、基板も配線も簡単で音も良いので初心者の方が最初に作るには持ってこいのエフェクターです。

自作する前に回路について知っておくと、より理解が深まるので本気でこれからも自作していきたい!という方は予めご覧いただくことをおすすめします。

それでは早速解説していきます!

必要なパーツ

抵抗

  • 100R…1個
  • 680R…1個
  • 1.2k…1個
  • 3.3k…3個
  • 7.5k…1個
  • 9.1k…2個
  • 1M…2個

抵抗はまとめ買いするとかなりお得です。

一応実機の方は金属皮膜抵抗を使っているそうです。

コンデンサ

  • 22pf…1個
  • 47pf…1個 セラミック
  • 150pf…1個 セラミック
  • 0.039μf…1個 フィルム
  • 0.047μf…2個 フィルム
  • 0.1μf…2個 セラミック
  • 1μf…2個 電解
  • 47μf…2個 電解

ダイオード

  • 1N400~…1つ
  • 1N4148…4つ

1N400~は逆接続防止用なので後ろの番号はなんでもいいです。よく使われるのは4001や4007なので買うならその辺をまとめ買いするとコスパ良しです。

ダイオードは送料を考えれば秋月さん並みです。

オペアンプ

  • 4558

オペアンプについては設計ミスと大きく絡む部分があります。先に回路解説の方をご覧になってからにしていただきたいです。

電源部をTimmyにするなら1458、Jan rayのままなら4558にしておきましょう。

半固定抵抗

  • 10kトリマー

実機はノイズ対策を理解しているのか必ずトリマーを付けるというポリシーの関係上なのかは分かりませんが、半固定抵抗になっています。可変抵抗にするなら天面まで引き伸ばしてしまうのでしっかり配線しなければノイズが増えてしまいます。

可変抵抗

  • 10kB…2個
  • 50kB…1個
  • 500kB…1個

◇その他

  • アルミダイキャストケース
  • ツマミ…4個(トリマー外出しの場合5個)
  • フォンジャック…2個
  • ACジャック
  • フットスイッチ
  • LED

Hammond純正ではないですが、結構安いです。品質もそれなりに良いので、プライム会員の方やAmazonで注文する時があれば買ってみるのもいいと思います。

基板レイアウト

Jan Rayの基板レイアウトですが、ネットに出ているものだとHomemade FXさんのものが比較的良いです。

https://web.archive.org/web/20160202145940/http://homemadefx.web.fc2.com/JanRay.pdf

海外のサイトはストリップボードでのレイアウトが多いですが、ストリップボードは配線を引き回してしまうのでおすすめしません。

基板の配線は、

GNDを一直線に短く、次に信号線を短く、です。

GNDが長く引き回されていると、エフェクターによっては発振してしまいます。

Jan Rayでは発振まではいきませんが、ノイズが乗ってしまいます。Homemade FXさんのは基板を一周しかけていますが、ストリップボードよりはこちらの方が良いです。

多分0.1μを増やしてあるのも足したら動作が安定した、といった所でしょう。

一番良いのは自分でレイアウトを考えてみることですね。

かなり頭の体操になります(;^ω^)

接地の配線

基板とジャック類のアースは接地ポイントを決めて、基板から電源、シャーシという順で最短で配線しましょう。

殆どのメーカーが入出力ジャックのGND極で固定するついでに接地していますが、どこか一点を接地する場合他方は浮かせるといった対処が必要です。

一点アースが推奨されるエフェクターでは絶縁ワッシャーで浮かせるという手法をとります。

ボリュームポットの配線

基板からボリュームポットへの配線はツイスト(二本の線を交差させる)しましょう。ツイストペア線と呼ばれています。

こうすることで交流磁界による外来ノイズを受けにくく出来る、要するにノイズが減ります。

スピーカーケーブルのベルデンウミヘビやパワーサプライからの給電ケーブル、ギター内部の配線をツイストするのも同じ理由です。

手間がかかるせいかメーカー品でやっている所はあまり見かけませんが、せっかく自作するならやっておきましょう。

コンデンサーの使い分け

別記事でも解説しましたが、Jan Rayだと基板レイアウトの両側にある47pと150pfは発振防止用コンデンサーなので高周波特性に優れたセラミックコンデンサを使います。

同じく電源ラインに入っている0.1μもセラミックコンデンサが適任です。これは電源の出力インピーダンスを下げるものですね。

次いでに22pfはラジオなんかの無線を拾ってオペアンプで検波しないようにするやつです。若干最適値とズレていますが、まあ許容範囲でしょう。

これは入力になるべく近くないとダメなんですが、回路図を見た感じこの通りの配置であればVemuramは分かってないっぽいですね。

これらはトーン回路やカップリングコンデンサとは違う役割なので注意です。

作ってみよう

以上のことを踏まえて実際に作ってみましょう。

まず基板から作っていきますが、ユニバーサル基板で作る場合基板にマジックペンで配線を描いた方が間違えにくく作りやすいです。

手間ですが特に初心者の方は必ずやっておきましょう。

今回はプリント基板ではなくユニバーサル基板で作っていきます。

音色研究会さんのプリント基板はほぼ完璧なレイアウトですので、もしプリント基板を購入される場合はそちらがおすすめです。

パーツを付ける順は抵抗、ダイオード、オペアンプ等半導体、フィルムコンデンサ、最後に電解コンデンサの順で取り付けましょう。

小さいものから順に取り付けた方が後々楽です。

内部配線は、ボリュームポット、スイッチ系はツイストさせ、GNDは最短で配線します。その次の信号線を最短で配線しましょう。

あとは基板の絶縁をして完成です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

個人的には設計ミスがあるので必ず回路解説記事をご覧いただいてから作っていただきたいところです。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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コメント

  1. アバター NAT より:

    返答ありがとうございました。
    4558で製作する場合の解説、楽しみにしております。

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