えー、なんと通常バージョンのmonicaに続き、フォロワーの方からassh氏モデルのmonicaを貸していただきました。
中古でも探してみたりしていたんですが、これがなかなか売りに出されないもので。しかも下手するとプレミア価格で5万は覚悟していただけに、こんな良いことがあっていいんでしょうか。
まぁ例によってお礼の品なんですが、どうせなら以前通常版monicaを貸してくださった方にassh氏モデルのmoincaの上位互換的なやつを渡して、assh氏モデルを貸してくださった方に通常版monicaを、の方がいいかなぁと考え中です。
同じの二台よりは違うやつの方がいいですよね。今回はたまたまタイミングが同じだったのはありますが。
それはそれとして、田舎のかかりつけの病院で検査したら止められるわ、その病院に通うために田舎で暇を持て余すぞと思っていたら身内が倒れるわで結構大変な三月でもありました。
三月は依頼されていたエフェクターを全部終わらせるつもりでしたが、なかなかうまくいかないもので…
ということで、assh氏モデルのmonicaを解析してみた内容を紹介していきます。
件のエフェクター
まさかこんなに早くこの箱を拝むことが出来るとは思っていませんでした。
あと解析とは関係ないですが、一緒にこちらが入っていました。monicaのつもりで受け取って開けたら真っ先にこれが目に入ったので、あれ、知り合いが差し入れでもくれたんか…?と思ったら普通にその下にエフェクターの箱が入っていました。
ただでさえ貸してもらって申し訳ないなぁ…と思っていたので、ファッですよ。というか千葉ってピーナッツみそなるものがあるんですね。どんな味がするのか想像がつきません。はちみつってことは甘いんでしょうか。甘い物好きなのでうれしいです。千葉で甘いと言えばマックスコーヒーも甘ったるくておいしかった思い出です。
これはこれとして、自作される方のようなので手持ちのまぁまぁ珍しいトランジスタとか同梱して返送しましょうかね。一昔前までエフェクター向きな高性能な素子が多かったんですが、最近は本当に少ないです。せっかく自作を始めたのに、こんなことが性能を追求する障害になるのは気に食わないというか気の毒というか、まぁそんなところなので適当に入れておきましょう。
話が逸れましたが、中身のものです。弾いてみた感じ通常版と比べてあんまり歪まないですね。こっちの方が柔らかい歪みと言いますか。それからトーン系統は別物な印象でした。この時点で回路は解析していませんでしたが、パーツを挿し変えただけでは無さそうかな?と思ったりしています。
実際なんたらシグネチャーって蓋を開けてみるとコンデンサの値や抵抗値がちょっと違うだけだったりが多いので、嬉しい誤算ですね。
気になる基板の方はこんな感じです。通常版モニカの画像も紹介しましたが、完全にパターン設計が違います。
目を惹くのはニチコンの両極性電解コンデンサと、4つになったクリッピング用のトランジスタでしょうか。しかしこの黒いフィルムコンデンサはどこのメーカーか謎です。Vishayとかですかね。
通常版との比較
結局一番気になるのが通常版との違いですよね。結論としては別物レベルで回路に変更が加えられています。
変更点を挙げていくと、先ほど書いた通りクリッピング用のトランジスタが4つに増えたことでクリッピングまで余裕が生まれています。弾いてみた時の歪みの質感の違いはこれでしょう。
それからトリマーの回路ですが、そもそも回路の位置が変更されています。別の名前で姉妹機として出しても良かったのでは、と思ってしまいますが、それぐらいassh氏モデルには力が入っていると言えそうです。
通常版のトリマーはトーンツマミの補助的な印象でしたが、assh氏モデルはトリマーとトーン回路はそれぞれ独立させています。
通常版のトリマーを含むトーン回路が手の込んだ回路だっただけに、あれをほぼ取り払って別でトーン回路を設けるとはなかなか挑戦的だなぁと思います。
人によっては「モニカのトーンがちょっと違うやつ」と思って買ったらトーンの効きは別物、歪みの質感も別物、と感じてしまうかもしれません。
まぁ定数をちょっと変えたぐらいのものを数万で買うより、回路が変更したものを買える方が個人的には嬉しいです。
大まかな回路の構造としては同じなので、通常版と同じくエフェクトオンにするとバッファを通る回路です。
一方で気になった点もいくつかあります。
まず緑色の両極性電解コンデンサです。
カップリングコンデンサとして使われているのだろうと思っていたら、それ以外にトーン回路にも使われていました。
これの何が気になるのかというと、カップリングコンデンサに両極性を使う必要性はない回路なんですよね。両極性電解コンデンサは性能的に使いたくないものですし、性能を求めるならフィルムコンデンサ、コスト面では電解コンデンサを採用するのが妥当です。
本当に予想ですが、元になったエフェクターの回路図のカップリングコンデンサに、無極性という記号が書いてあります。これがエフェクター自作界隈どころかエフェクターメーカーですら両極性電解コンデンサのことであると認識している事実がありまして、その両極性コンデンサの名前を無極性電解コンデンサであると認識しているという、二重の間違いからくるある種のミスではないかと疑っています。
しかし出力のカップリングコンデンサはフィルムコンデンサなので謎です。
それからトリマーが直流域で使用されているのは微妙でした。コンデンサと順番を入れ替えるだけなので、単純に設計ミスかなと思っています。
摺動子の接触ノイズだったり、電蝕が問題になるので自作する時は注意です。
その他の点は通常版モニカに書いてあることと同じなので、省略します。
と、色々書きましたが、良いエフェクターだと思います。特にチューブスクリーマー系統が好きな方は買って損はないエフェクターではないでしょうか。
assh氏モデルはソフトクリップな音色と低域、中域のEQが欲しい方向け、通常版は単体でも使える歪みと中音域にこだわってセッティング出来るエフェクターが欲しい方向けかなと思います。
個人的に通常版モニカのトーン回路は一見しただけでどんな効きになるか分からないほどの複雑さで、感心してしまいました。逆にassh氏モデルは簡易化されていて意外だったり。トリマーはassh氏モデルの方が扱いやすそうです。
という事で今日はこんなところで終わりにしたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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