製作日記23 Smoggy Overdriveの回路を解析した件

製作日記

前回の日記に書いた通り、Smoggyの回路解析をしてみました。

myriadに続き話題のエフェクターの回路が気になる、ただそれだけで散財しているわけですが、今回は七万も飛んだので痛かったですね…

そんなわけで早速開封することにしました。

アルミ削り出しなだけあって輝いておりますね。特に天面はケースの中心から円形に削られているので、アルミの反射だけで浮かび上がる模様はロマンがあります。

比較的重い部類のエフェクターですが、Vemuramの真鍮ケースに比べると少し軽い程度です。

色々セッティングして試奏してみました。

やはりと言うべきか、TS系の雰囲気があります。というより、この音はあのエフェクターなのでは…?と、音出し一発目で心当たりすら感じさせるレベルで似ていたのはここだけの話です。

それで、感触としてはローゲインながらトーンがパリッと効いているお陰か、そこまで歪みが足りないとは思いませんでした。

トーンが12時まではややぼやけますが、12時以降は急にパリッとします。どこかで見かけたレビューでは、ガラスのような音色というのを見かけた記憶がありますが、確かに分からなくもないです。

トーン12時までは完全に某有名オーバードライブな感触ですね。Smoggyはトーン12時以降にしてこそなのかなと思います。

ギターの美味しい帯域を狙っているのか、12時までは微妙でしたが、12時以降は「お、」と思いました。

まぁ、好みですけどね。

しかし問題もありまして、ツマミを上げめなセッティングにすると発振します。

特にギター側のプラグを抜いた時は悲惨なもので、許容出来ないレベルで「ピー」という音が鳴ります。しかし発振しない時もあったり、変なノイズを出したりと、恐らくただの発振ではなく動作が不安定なのでしょう。これは唯一の戴けない点ですかね。

ところでギター機材に接点不良は付き物で、ギターを直結したとしても、ギター本体のボリュームポット、ジャックの接点不良、シールド、パッチケーブルの断線、接触不良、などなど・・・

Smoggyのインプット側に接点不良のどれか一つでも起こって入力が浮くと、ツマミ上げめのセッティングなら発振確定というわけです。

これがライブ本番だと考えると、怖すぎて使う気になれませんでした。

そもそも入力が浮いていなかったとしても、微妙に発振しているのでこれは真っ先に改良ポイントになりますね。

裏蓋は二枚に分かれていました。小さい方の蓋がバッテリーの方の蓋なので、一般的には大きい方の蓋を開ける事は無いでしょう。

そういえばツマミは特注なんですかね。見たことのないツマミです。よくあるマイナスのイモネジではなく、海外のツマミにありがちな六角イモネジでした。

久しぶりにリンクを張る気がしますが、このドライバーセットだけ買っておけばドライバーで困ることは無いです。しかも安い。お勧めです。

それで、開けたは良いんですが、基板の取り出しにくいこと取り出しにくいこと。

かなりギチギチに詰めるタイプのメーカーみたいです。ちなみに基板はケースにネジ止めしてありました。

ところでShigemoriもでしたが、基板を固定するネジの上から、謎の青色半透明なの樹脂か接着剤のようなものがかけてあります。

何かそういうやつがあるんですかね。

ご覧の通り基板にモールドなどは一切なく、とても解析しやすそうな基板でした。

HumanGearやらVemuramのmyriadやら、解析難易度高めの依頼ばかりだったので、久しぶりに楽しく解析出来そうです。

しかし、フォンジャックの繋がっている基板はどうやって外すんだこれ、って思いました。どう考えてもハマっているので外せませんよね。Vemuramは基板を傾けると外せましたが、これは明らかに外れないです。

エフェクターで知恵の輪をするのは御免なので、一応マイクロスコープで中を覗いてみましたが、ジャックだけでした。もしかしてジャックは後付けなんですかね。じゃないと入らない気がします。

そんなこんなで解析RTAをすると、30分ぐらいで解析完了しました。やっぱり基板が見える上に小規模な回路、ある程度回路のあたりが付けられるとなると、とてもやりやすかったです。

それにしてもブティックはトゥルーバイパス大好きで、バッファはやたら嫌いますよね。これらを変えるだけでもかなり性能向上に繋がるのですが、悲しい限りです。

ちなみに回路の方は、公式ブログ的なやつに普通のオーバードライブとは違った構成に~とか書いてありましたが、王道のTS系回路ですよ。

と言ってもトーン回路はよくあるTSの亜流みたいなやつですけどね。

それはそうと、かなり既視感のある回路というか、ほぼ同じ回路のエフェクターをいくつか知っているだけに多少の残念感は否めませんでしたね…

その他にも、基板設計が自作初心者でよく見かける設計だったり、オペアンプの選択が不適切だったりと、やはり設計の甘さが見受けられます。オペアンプはメーカーに下ブレしているものだけ納品させるようにでもしているのであれば話は別ですが、果たしてそんな事が可能なのでしょうか。エフェクターメーカーならまだしも、ギターメーカーですよね。大手エフェクターメーカーがやるレベルなだけに可能性は低いでしょう。

しかし、この回路の規模で発振するものでもないですし、低域発振な事も含めるとやはり動作が不安定なのでしょうね。パターン設計から来る発振ではなく、回路設計から来る発振だと思います。特に定数変更すると、発振しやすい部分を変更していたという事もあります。

あと後ほど回路の計算をしてみると、まさかのフィルター回路の極がギターどころかベースの最低周波数以下だったので、どうやら定数計算すらしていないようです。

そこは結構音色に関わる重要な部分ですからね。耳で合わせたにしろ、少々厳しい設計です。

一方で良い点もいくつかあり、無駄に1/2W抵抗を使っていなかったり、ビンテージと呼べば聞こえはいいですが、旧世代の低性能なパーツを使っていない点については良いですね。本当に。

これが当たり前と言えば当たり前なんですが、出来ていないエフェクターメーカーどころか、好き好んで使うメーカーもあるので困ったものです。特にブティックメーカー。

黄色いコンデンサはAVX説もありますが、秋月さんから取り寄せているものであれば、ビンテージパーツに執着していない優良メーカーです。

抵抗も全て金属皮膜抵抗だったので、ビンテージパーツのカルトではない今時稀有なメーカーですね。費用対策だとしても、寧ろ値段の安い最近のパーツの方が一つ数百円もするビンテージパーツより数段高性能とは皮肉なものです。

総評としては、回路設計にやや技術不足が伺えるが、パーツ(オペアンプ以外)の選択は常識的なメーカーである。なおスイッチの接点部による劣化、バッファ回路の必要性については認識が甘い。という感じでした。辛口だとは思いますが、下手に褒めて嘘を書く方がいかがなものかと思うので、こんなところでどうでしょうか。まぁ一応購入はしているので、購入者として評価の1つ書いたところで特に問題は無いでしょう。

定価はほぼ5万円と高いですが、アルミ削り出しである事を考えると、ブティックにしては良心的かもしれませんね。アルミ角材もそうですが、工賃など含め自社製造でも値段はバカになりません。確かケースは外注ですよね。

というわけで、今回はこんなところで終わります。

ちなみに前回書いた回路当てゲームは、ほぼ当たっていたも同然かもしれません。いい意味で期待と予想を裏切ってくるエフェクターというのは、なかなか無いものですね。

そういえば皆さん的に肝心の、クローンは作るのかという話ですが、まぁ需要があれば作るかもしれません。勿論性能は改良の余地満載だったので、相当高性能化の図れる伸びしろあるエフェクターです。特に音色に関わる部分は弄らず、単純に高性能化出来る部分だけ修正するので完全な上位互換と言って差し支えないでしょう。

まぁエフェクターはアクセサリーというか、音ではなくブランドとか見た目に拘る人が多いのも事実なので、性能に全振りみたいなエフェクターが需要あるのか問題はあります。一応外観もかなり対応しているんですけどね。とは言え量産する気は全くないので、オーダーメイドで偶に数台仕上げる程度でしょう。問い合わせも10件無いぐらいだったので、オーダーメイドで十分そうです。

無駄話が長くなってしまいました。それではまた次回。

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コメント

  1. アバター 神保町太郎 より:

    こんにちは.

    いやぁ, 褒めてるところが褒められるべきところでないところで, 読んでて笑ってしまいました.

    逆に言えば, そういうパーツ選択でこんな値段でオリジナルとは思えない回路, となると, ほとんどケース代ですね笑

    • ぷらむ ぷらむ より:

      いつもお世話になっております。

      事実、ブティックメーカーなのにカーボンコンポジット抵抗だったり、ビンテージフィルムコンデンサを使っていないのを見て感心してしまったんですよね。
      回路は言わずもがな、してやられた感とでも言いましょうか。期待していただけに落胆は否めませんでした。
      今年は解析依頼が多かったので、毒されてきているのかもしれません。
      しかし、ケースに7万課金と考えると血の気が引きますね。
      4万の課金で真鍮ケースが手に入るなんて話もありますが、完全に見た目要素なので普通にパーツ買いますよね。

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