【回路解析】ShigemoriのPRETONEを解析した話

回路解析

最近更新の頻度が遅いですが、春ごろからはまた更新していこうと思っておりますどうもぷらむです。

ブログも更新せず、製作依頼もろくに引き受けず、何をやっとるんだね君は、と言われそうですが、一応在庫分は作ると宣言したmyriadは数件ずつ引き受けてはいます。

とは言え最近は主に、パーツの発注と管理ばかりやっています。

そもそも冬は何もしたくないという諸事情によるところが大きいのですが、長年放置し続けた大量の部品、もはや一朝一夕では収拾のつきそうにない物が多い部屋。お察しの通りです。

物を無くそうものなら二度と出てきませんよええ。片方の靴下が無くなる感覚でテスターやら定規やらレンチがどこかへ消えます。

それで何もしないのはあれなので、整理整頓しようとなったわけです。すると当然これが足りないなという物が出てくるわけで、パーツの買いだめも平行してやっているわけです。

もう一人では手に負えません。バイトとか雇った方がいいんですかね。

あと最近というか、数年前からエフェクターに使いやすい低雑音、低消費電力な素子が減りつつあるので、今後自作を一生の趣味にするなら目ぼしい部品は買いだめしておいた方が良いですよ。

特に日本製。

テキサスのは多分またアマチュアにも品卸するようになると思います。最近PSpice公開していたりと、アマにも媚を売り始めました。そもそも企業に回路技術ごと買い取らせるってどんな経営方針だよとは思います。

まぁ何が言いたいかというと、電子回路技術者は誰でも最初は初心者という事です。当然ですよね。

「アマチュアに品卸しないテキサスのパーツ」に親しみが無くなる=使わん という事です。

秋月さんごめんなさいをする時も近い、そんな気がします。

前書きはこの辺にして本題に入ろうと思います。

PRETONEの基板

実は以前PRETONEの解析は無理、という記事を書きましたが諦めきれなかったので壊す覚悟で解析することにしました。

そもそもShigemori全般の基板にぶっかけられている隠蔽ブラックも物質なので、分解してしまえばどうという事はありません。

一番楽なのは水よりもう少し沸点の高い液体で煮るとかですかね。まあそんなことをすると部品がダメになる確率大なので、今回は薬漬け計画でいきました。

まずShigemoriの基板ですが、こんな感じでほぼアスファルトです。

これは回路を解析出来ないようにする工夫なんですが、中でもこの隠蔽ブラックは鉄壁です。四層基板の方がまだマシ、そんなレベルです。そんなわけで前回は敗北を喫しました。一応削ってみたりはしたんですけどね。無理です。

ちなみにShigemoriに修理依頼をすると、基板ごと取り換えるんだと思います。こんなの公式とて剥がせませんからね。

そんなわけで今回は頭脳戦に持ち込もうじゃないかと、化学の力に頼ってみたわけです。

一応剥離剤なるものもあるらしいですが、それだと樹脂系部品は壊れる可能性もありますからね。

ホルマリン漬けというかなんというか、マッドなサイエンティスト感が漂うこと一週間。

無理かなぁと思っていましたが、いけました。ガチガチの石みたいでしたが、砂利みたいにボロボロ砕け散りましたね。

誰がどう見ても完勝です。勝ち申した祝杯ということで、梅酒を三本ポチりました。

一応まだ問題はありまして、トランジスタやオペアンプ、コンデンサ諸々のコードが削られているという芸の細かい妨害が為されていたので、全て取り外して計測しました。

一番嫌だったのは、はんだごてでコンデンサのリードを立てる作業です。

リード線を基板のホールのところでカットせずに、リードを数ミリ残して、横に倒した上からはんだ付けしてあるんですよね。当然コンデンサを引き抜くにはリード線を立ててホールから取り外せるようにしないといけないわけで、こて先で頑張ってはんだを溶かしながらパターンから浮かせるわけです。

そりゃこて先には相当力をかけますから、勢い余って自分の手にこてが直撃するわけですよ。

熱いのなんの。皆さんは親指がこんがりきつね色になったことはあるでしょうか。私は何度もありますが、慣れるものではありません。

コンデンサの数×2をこなすので、被弾率は高いです。

それからオペアンプですが、測定して割り出す事にしました。結果は恐らく4558だろうと思います。回路的にも入力バイアス電流が小さめ、入力換算雑音電圧も小さめというものが求められるので、多分合っていると思います。

これもピンが曲げられていましたからね。流石にオペアンプのピンは曲げんでいいだろう、って思いました。

しかしTwitterでも書きましたが、高級品志向なのかと思いきや割と庶民的なオペアンプですよね。定価は3万ちょっとするので、もう少し高性能なオペアンプを使って欲しかった感はあります。

EQなので、私ならもっと切れ味の良いオペアンプを使いたいところです。

という事で肝心の回路ですが、かなり微妙です。まず電源部が貧弱なので普通のアダプタではノイズに悩まされるでしょう。そして高抵抗を多用しているので相当な熱雑音が出ます。とてもローノイズとは言えません。個人的に戴けないのはオペアンプ自体がクリッピングしてしまうんですよね。

そして肝となるトーン回路は道理に合わないと言うべきか、どうにもちぐはぐな印象です。最近ではmyriadと似た感覚で、継ぎ接ぎの回路を見せられているようです。どこかで引用した回路を繋ぎ合わせているのかもしれません。

回路の形としては悪くないんですけどね。反転増幅で逆位相になってもそのまま等、配慮に欠ける点も多いです。

まぁ全体的に定数が適当というのもありますが、ほぼケース代と言えそうです。回路設計に関しては、素人っぽさが目立つ設計でした。多分このブログを一通り読んでいる方や、長いこと自作をされている方の方が回路知識については上だと思います。

なかなか吉は出ませんね。そもそも国内メーカーで(BOSS、Ibanez除く)ちゃんとした設計のメーカーはあるのか疑惑が浮上しつつあります。どこか設計を売りにしているメーカーってあったでしょうか。ご存じの方がいらっしゃれば私も参考にしたいので教えていただきたいです。

今日はこんなところで終わりたいと思います。

ちなみに分解したPRETONEは売れるものでもないので、ケースだけ使おうと思っています。ついに金額=ケース代になってしまいました。これだけはやってしまったらコスパ悪すぎるのでやらないつもりでしたが、もうどうしようもないので使う事にします。いや普通に考えてエフェクターのケース1個に3万とか頭おか(ry

現場からは以上です。

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