皆さんは接点復活剤ってご存じでしょうか。
そうですね、接点を復活させるやつです。
ですが色々間違った使い方をされたりしている事も多々見かけるので、今回は接点復活剤について書いてみようと思います。
私が使っている復活剤も紹介しているので参考になればと思います。
接点復活剤とは
そもそも接点復活剤とは何か、メンテをしない方もいらっしゃると思うので簡単に書いておきます。
まず接点復活剤は錆落としというようなイメージで大丈夫です。多くはポットのガリだったりジャック部に使われるイメージですね。
ですがこれ、あまりよろしくないんです。
そもそも接点復活剤があまり良くないというべきでしょうか、理由については後述します。
接点復活剤の正しい使い方
接点復活剤は大抵スプレー缶になっています。
しかしそのまま接点部に吹きかけるのは好ましくなく、意図せず不要な部分に吹きかけてしまい必要なグリスを落としてしまったり、基板に付着すれば漏れ電流の原因になります。
正しい使い方は綿棒や脱脂綿に染み込ませ、接点部に少量塗布です。
そしてお察しの通り、接点復活剤を可変抵抗に噴霧するのは結構良くない事で最終手段とお考え下さい。ライブ会場で急にガリノイズが出てどうにもならない、そんな時に使うレベルです。逆に小さいスプレーを持っておけば応急処置できるという考え方もありますけどね。
可変抵抗にガリが出てしまった場合は接点復活剤ではなく摺動による接点の研削、要するにツマミをグリグリします。
コツはガリが出るポイントだけしつこくグリグリすることです。
これでも治らなければ交換です。寧ろガリが少しでも出たら即交換です。プロは接点復活剤など使わず即交換ですからね。
交換すれば環境によるところもありますが、5年~10年いかないぐらいは使えます。
他にジャック部にもよく使いますが、裏蓋を開けずスプレーを直接吹きかけるのをプロのメンテの方がやっていて驚いた事があります。
前述の通り見えない部分に多量に吹きかけるなど不具合の元です。
ジャック部はコンパウンドで研磨した後プラグが触れる部分に綿棒などで少量塗布して磨くのが正しい使い方です。吹きかけるだけでは不十分です。
未だに酸化されやすく、薄くても強力な絶縁層を形成するニッケルメッキジャックが使われているのが現状なので正しく使えばとても効果的です。ホール効果による電子の通り抜けで音は出ますがその非直線性たるや私なら許容出来ません。接点部の酸化層こそギタリストの宿敵です。
接点復活剤を買う時の注意点
接点復活剤には選ぶ上で色々注意点があります。
買う際は必ず成分を確認しましょう。プラスチックが溶けたり逆に悪影響を及ぼす事もあります。
まず接点復活剤の主成分は大抵絶縁油です。これで汚れを洗い流します。
しかし微弱信号部ではこの絶縁油が障壁となってしまい、寧ろ導電性が欲しい、そんな事もあります。これは場合によって使い分けるしか無いですが、成分で言えばポリエーテル類は残留するので比較的ギター機材向けという事になります。高分子だったら絶縁油と同じやないかいというツッコミに関してはポリオフィレンなどの絶縁油よりは絶縁膜が弱いので幾分マシです。寧ろ分子量の少ないものの方が水分量的に接点部の問題となりそうですね。
そして有機溶媒の入っている物。これもプラスチックが溶けるので避けた方が良いです。
最後はシリコンの入っている物。埃を吸着するのでやめましょう。
接点復活剤の紹介
接点復活剤はCaigが人気ですね。接点復活剤と検索すれば真っ先に出てきます。
滅多に使いませんが、私はこの二本を持っています。量が多いので未だに無くなったことはありません。接点復活剤は一本買えば一生モノだと思って大丈夫です。
赤いやつは音響用として売られているスタンダードなやつです。使った感じ完全に錆落としに特化しているので、相当古いアンプで錆まくりだと使いますがやはり滅多に使わないですね。
しかも生産国がアメリカなので、噴射力もアメリカンです。吹いた後もジョボジョボ出てくる困ったやつなんですよね。しかも値段が高い。
安くてもKureとかで使えるやつがあるんじゃないですかね。探すのが面倒なので使っていますが、音響用に拘る必要は無いです。成分が同じならどれも同じですからね。富士山の天然水も水道水も同じ味だと思っている派です。
これもあり得ない値段ですよね。同じく探すのが面倒なので使っていますが、品質に関してはCAJなので文句無しです。
あまり知られていない知る人ぞ知る接点クリーナーです。値段が値段なだけに伝説扱い気味ですね。
量は少ないですが、これも一生モノです。未だに使い切っていません。
多分バージョンアップしたのかもしれませんが、これの一個前の赤いラベルのやつは漏れやすいので注意です。経験者は語るってやつですね。
これは接点復活剤ではなく接点洗浄剤という物です。主成分はアルコールで、洗浄力で言えば復活剤よりアルコールの方が上です。
個人的には復活剤よりこっちをお勧めします。安いので持っていて損はないですよ。
使い方としてはこれで接点を洗い流した後復活剤で磨く、そんな使い方です。
個人的に次買おうかなと思っているスプレーです。
成分見た限り結構ギター機材向きです。ギター向けなので当然といえば当然ですけどね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
接点復活剤、洗浄剤、持っていて損は無いです。
むしろ接点部の洗浄のみでメンテに出す手間、料金を考えれば相当コスパいいと思います。
接点部のこまめな手入れはとても重要なので良ければぜひ買ってみてください。
最後まで読んでくださってありがとうございました(^▽^)/
コメント