【普通のパッチケーブルに劣る?】ソルダーレスケーブルの話

ソルダーレスケーブル、最近主流ですよね。はんだごてを持っていなくても自分でパッチケーブルが好きな長さで作れるという便利なケーブルです。

色んなメーカーが出していますが、やっぱりフリーザトーンが人気なのかなと思います。

プロアマ問わず使っているあたりその支持もかなり大きなものになっているでしょう…

ですが先日、友人からボードを組んでほしいと言われまして、パッチケーブルの話になりました。

ソルダーレスケーブルがいい!と言うのかなと思っていると、案の定

「ソルダーレスケーブルで(゚∀゚)アヒャ」

と言われまして、まあそうだよなぁと思いました。

ですが私はおすすめしませんでした。なぜなら友人は音にこだわる人だったからです。

理由も説明するとちゃんと納得してくれました。

なので私推奨のモガミで全てはんだ付けして作ったんですが、今回はソルダーレスケーブルと普通のパッチケーブルの実際そこんところどうなの?という事について書いていこうと思います。

ソルダーレスケーブルとは

そもそもソルダーレスケーブルってなんだ、という方もいるかもしれないので軽く紹介しておきます。

ソルダーレスケーブルとははんだを一切使わず作れるケーブルのことで、海外でははんだのことをソルダーと呼ぶ事からソルダーレスケーブルという名前で少し前から主流になりつつあるケーブルです。

はんだを使わずねじ止め一つで好きな長さで作れてしまう事から今後は更に使う方が増えていくでしょう。

構造としてはプラグ内部に針があって、そこに心線を挿し、シールドは被覆ごとねじ止めする際にプラグに接触させるという仕組みです。

おすすめしなかった理由

簡単に作れるのでエフェクターをとっかえひっかえする人にはおすすめしていますよ。なんなら私がその類の人間だったので以前はソルダーレスケーブルを使っていました。

ですがおすすめしなかった友人はあまり機材を入れ替えませんし、何より音質重視だったから普通のパッチケーブルをおすすめしたんです。

まずおすすめしなかった理由の一つに、そもそもソルダーレスケーブルはねじ止めしているという構造上、プラグとケーブルには接点が存在するというのは事実です。

だからなんやねんって話ですが、ギターの信号のような微弱な信号に接点は大きな障害です。似た話はスイッチ関係で書いたと思います。

ただエフェクターはプラグとジャックで接続する都合上言い出したらキリがないので機材をとっかえひっかえする人にはソルダーレスケーブルをおすすめしているというだけです。

とは言え接点を減らす事はとても重要で、パッチケーブルに関して言えばボードの大きいパッチケーブルを多く使う人ほどその効果は顕著です。

はんだ付けをおすすめする理由

一応このソルダーレスケーブルでも大した問題にならないか、はんだ付けするべきかは有識者の間でも意見が分かれているところなのでここからは私の個人的な見解です。

まずソルダーレスケーブルの場合心線がプラグによって覆われているとは言え、空気に触れている状態です。

別の記事でジャック、プラグは酸化層が出来ると音の劣化に繋がるから手入れはこまめにと書きましたが、それに同じくパッチケーブルの心線に使われる銅線も酸化すると亜酸化銅という酸化被膜を形成します。

この亜酸化銅が厄介者で、整流作用を持ちます。

分かりやすく言うと、自作している方ならお馴染みの逆接続防止用、クリッピング用としてよく使うダイオードのような機能を持ちます。

つまり極端に言ってしまえばプラグとケーブルの接点部にダイオードが挟まっている状態になります。

亜酸化銅は過去に積層して亜酸化銅整流器なるものが作られたことがあるんですが、ギターの扱う信号より遥かに大きな逆耐圧になります。

という事からはんだ付けをおすすめしているんですがどうでしょう。

はんだについても記事を書いた記憶があるんですが、はんだ付けなら松脂が酸化被膜を還元してくれるのでちゃんとはんだ付けすれば数十年は同じ品質で使えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

この記事でソルダーレスケーブルの売り上げが落ちるなんてことは無いと思いますが、音質重視の方なら一度考えていただきたいなと思います。

一流メーカーのフリーザトーンが販売してるんだからそんなことあるわけない!と言われるかもしれませんが、明確な根拠に基づいた事実です。割とエフェクター業界って適当な部分が多かったりします。

この記事で解説したことは多分中学高校の化学の内容なのでまだ教科書が残っているなら見てみるのも面白いでしょう。

最後まで読んでくださってありがとうございました(^▽^)/

コメント

  1. MM より:

    ちょうどソルダーレスケーブルの比較を探していたところ流れつきました。
    かれこれ10年以上ぶりにまたギターを弾こうと思い立ち、当時の巨大なエフェクターボードをコンパクトにしたいな〜なんてところで今どきはソルダーレスケーブルやら、すのこ形のボードなんてものがあると知り、これはいいと実際に購入してボードを組んでいると、音質について、正直あれ?って感じだったのです。
    気のせいかと思い、10年以上前のベルデン8412のパッチケーブルと比較してみたらやはり気のせいではなく音の違いに愕然としてしまいました・・・昔ほど音質にシビアになる必要はないとは思っているのですが、一度気になると完全に意識が行ってしまい、せっかくコンパクトなボードに組み直したのに元に戻してしまおうかと悩んでおります。

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