製作日記8 HUMAN GEAR Fine OD Specialの回路解析

今回もまたまた依頼です。なんだかんだひっきりなしに依頼がくるので息をつく間も無いのが現状です…

まあ楽しいのでいいんですけどね(;^ω^)

ちなみにこれは知人というか友人というか、とりあえず知り合いからの依頼です。

本題のHUMAN GEAR Fine OD Specialですが、輸入代理店のHUMAN GEARとしてご存じの方も多いのではないでしょうか?

ケンタウルスを筆頭にOCD等数々の名器を日本に輸入してくれたメーカーです。

HUMAN GEARで有名なエフェクターだとVivaceがありますが、輸入代理店だけでなくエフェクターメーカーとして一流のプロも使うエフェクターを販売しています。

Fine ODは知っている方は知っている、ぐらいの少しマイナーめなエフェクターですかね。

そんなFine ODのええやつがOD Specialというわけです。

Specialというだけあって販売台数も少なく、値段も35000~36000円ぐらいするブティックエフェクターですね…

それをバラすのはなかなか勇気いります…(知人からの依頼でよかった…)

回路解析

今回は回路解析のやり方についても軽く触れながら日記にしようと思います。

いつかコツとかをまとめた記事を出したいですね。

それで実機の方なんですが、写真撮る前にバラしてしまったので後ほどアップします(;^ω^)

早速バラしていくわけですが、HUMAN GEARって回路解析に関してあんまり良い噂を聞かないんですよね。海外ですら回路解析されているのはANIMATOというBig Muffのクローンみたいなペダルのみです。

回路解析をしている方がそもそもいないので(調べて目につく範囲では)圧倒的に情報不足なんですよね。

なので海外の情報を頼りにするしかないんですが、なんでも基板のガードが鉄壁だそうで…

私が知る限りでは今のところShigemoriのエフェクターなんですが、隠蔽ブラックかな?とにかくモールド剤でガッツリモールドしてあるのであれは無理だと思いましたね…

壊す覚悟で剥がさないと無理です。(一応剥がさずに解析する手段はあるんですけど基板のパターンすら見えないので…)

ほんと基板の上に岩があります。多分見たことある人しか分からないのでいつか記事を上げます(;^ω^)

そんな訳でShigemoriみたいなモールド剤だったらどうしよ…と思いつつ裏蓋を開けると何やら黒いプラスチックケースが入っていました。(写真撮り忘れましたごめんなさい)

この中に基板が入っているようです。

なんですけどまずこのプラスチックケースが開かない(;^ω^)

無理やりマイナスドライバーでこじ開けると、バキッという音とともに開きました。もちろんプラスチックケースのツメは破損しています(;;;;^ω^)

まあ基板が無事なので…

こんな感じで基板が入っていました。

ただこのケースもアルミのダイキャストケースに両面テープでがっちり固定されていたんですよね(;^ω^)

壊す覚悟で思いっきり引っ張ると取れます。しかもこの両面テープ、いつぞやに世界一剝がれないとかでテレビでやってたやつじゃないですかね。金属とプラスチックの多用途接着タイプだとその類だと思います。

そんなこんなでシャーシからジャック類やら可変抵抗を外して中身を取り出しました。

あとはプラスチックケースから基板を取り出すだけ~モールドされてなければいいな~

なんて悠長なことを考えていると、なんと基板が出てこない…

まあ原因なんですが、多分基板とケースを何かで接着しているのは確かなんです。でも表から見える樹脂を剥がしただけでは取れませんでした。

ということは裏面に何か細工がされているはずですが、何やら嫌な予感がします。

もしかすると解析防止のためにパーツと固定してあって、引っ張り出すとパーツが基板から千切れて壊れてしまう仕組みなのでは?という仮説を立ててみました。

そしてこのエフェクターは音的にTS系で、このケースの深さだとケース底面に触れられそうなのは電解コンデンサぐらいでしょう。

勘のいい方はもう分かったのではないでしょうか。

どうやってHUMAN GEARの人がメンテするのかと考えた時、メーカーの人にしか分からない仕組みにするはずです。

上の画像の基板にご注目。

100と書いてありますね。位置は基板のパターン的にGNDと、配線から見るに電源ラインの間。

電源部の100μの電解コンデンサとケースが接着してあって、電解コンデンサの半田付けを取らないと基板は出てこない。

という結論に至りました。

はいもうこれですよ(;^ω^)

はんだが解けないんですよ。いくらGNDのはんだが大きくてもあの溶けなさ具合は異常です。板金用か何かの溶けにくいやつを使っているのかもしれません。

少量はんだを溶かしてGNDのはんだと混ぜてなんとか吸い取りましたが、厳しいですね…

まあだいぶ引っこ抜きやすくはなったので思いきって引っ張ると、画像の通り電解コンデンサさんはお釈迦になりました。

でも回路解析する人って多分これぐらい直せちゃうと思うのは私だけでしょうか…

ちなみに使ってあるやつはニチコンのMUSEという一番いいやつです。さすがにブティックでしかもSpecialとなるといいやつ使ってますね。

私の名推理も意味を成さなかったところでやっと解析作業に移れそうです。

樹脂系のモールドだったので一安心です。Shigemoriの砂利みたいなモールド剤だと詰んでいました。

モールド箇所は主にコンデンサとオペアンプ、トランジスタ、そしてこのよく分からない直方体のパーツです。何でしょうかこれ。コンデンサだと思いますが、大きさからするに1μのフィルムですかね?

とりあえずこれは置いといて、半導体の方の型番を見ることにしました。

樹脂系のモールド剤がオペアンプ等半導体にかけられている時は、切れ味のいいカッターで樹脂をスライスすると型番が見れます。

流石に型番記載はまずいですが、OD Specialのオペアンプの型番は削られていなかったので確認できました。

やっぱり隠蔽するなら削るのが確実ですね…

コンデンサの方も本体を削らないよう樹脂をスライスすれば確認できます。

それで問題の直方体のやつですが…

なんと縦積みの並列に繋いだコンデンサでした(;^ω^)

黒い布のようなものに包まれていて、その上から樹脂がかけてありました。

これは初めて見ましたね。

絶妙な値にしてあるみたいです。

回路解析のやり方

回路解析のやり方なんて書いていますが、やることは単純です。

まずは裏面のパターンの写真を撮りましょう。

そして適当なソフトやアプリで反転させたらそれを方眼紙になるべく正確に写していきます。

ここでポイントとなるのはパターンに正確ではなく、方眼紙の升目に正確に、そしてパターンに忠実に書いていく事です。

ちょっと文章にすると難しいですが、要するに実機のパターンと方眼紙に書いたパターンを見比べた時に、方眼紙に書いたパターンの実機のパターンに相当する箇所が感覚的に一目で分かるようにしておけばいいだけです。

あとは基板の表面にあるパーツの各値、型番を確認してメモしておきます。

表面とパーツのリード線と裏面のパターンを見比べながら方眼紙に書いたパターンにパーツや配線を書き足して、完成です…

最終的にはよくある基板レイアウトの手書きバージョンみたいになると良いです。

ここからはインプットから順にパターンを追って回路図にするだけですね。

これがまた大変だったりしますが、回路解析をしてみたいエフェクターがある!ということならこ方法が最も手っ取り早いです。

やっぱり手書きが早いですね…

HUMAN GEAR Fine OD Specialの回路解析でした(^▽^)/

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