あけましておめでとうございます。
年明けからしばらくしてのご挨拶となりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
実は去年中に発表できればと思っていた企画がいくつかあったのですが、多忙につき今年での発表になりそうです。
1つは現在も複数人の方からお問い合わせいただいている、Sweet honey overdriveを設計し直した歪みエフェクターについて。
こちらは解説記事でも述べたとおり、本来の設計意図と食い違ったような、違和感のある設計になっています。
昔設計し直したものを個人的に作ったことがあったのですが、満足のいくサウンドになったと記憶しています。そんな話をしていたら、ご興味を持たれた方が結構いらっしゃったということです。
それだけSHODのファンが多いということであろうと思います。それでも万全のポテンシャルを引き出せているとは言い難いため、設計し直して良好な特性を発揮したサウンドはどのように評価されるのか、気になる点です。
もう1つは、Jan Rayというべきか、Timmyというべきか、その自作キットですね。こちらも、解説記事の方で私が設計した回路を公開したところ、自作基板を出して欲しいというようなご要望をいただいたため、設計中です。
また、解説記事の方でサウンドの肝となる部分の試行錯誤について紹介しました。それらも1つの基板でできるように、公開した回路図の設計にマイナーチェンジを加えています。
Timmyのように作れたり、Jan rayのようにも作れたり、その中間のようにも作れます。どちらでもないサウンドにすることもできます。
プリント基板であるため、部品の交換が難しいユニバーサル基板より簡単に色んな組み合わせを試すことができます。完成品としても使える実験基板のようなものですね。サウンドに満足したら、そのまま実用できるというものです。
去年は色々と忙しく、設計半ばというところなので、完成させられればと思います。
このサイトについても、引き続き内容を充実させていこうと考えています。
話は変わりますが、最近のテクノロジーニュースは皆さん確認しておられるでしょうか。私は嫌でも耳に入ってくるので、あまりその分野に関わらない人でも耳に入るものなのか、分からないところです。
ここ数年で言えば、やはりAIですね。話題になりやすいのは、Chat GPTのような汎用生成AIでしょうか。いわゆる大規模言語モデルで、Siriも出た頃はAIだとか言われていましたが、あれらのタスク実行型もAIではあるんですが、近年のLLMとは別物なんですね。
話題になりやすいのはこのあたりですが、皆さんの身の回りにあるありとあらゆるものに、AIは組み込まれていっています。既に意識しないところでAIから莫大な恩恵を受けていて、見えないところで劇的に変化しています。
これは結構怖いことで、インフラにすらAIが組み込まれていっているわけですから、その分人が要らなくなることになります。既にAIに取られている分野は沢山あって、プログラミングなんかは人が書くよりよっぽどいいものを書いたり、それなのに人件費がかからなくて24時間働き続けます。
AIブームだなんだと、情報に進む人が多いんですが、なぜ真っ先にAIに取って替わられる分野に進むのか、私含め不思議がっている人が多くいます。
AIは情報の分野ですから、真っ先にAIに取って替わられるのに、大丈夫なんでしょうか。
人が少なくなったり、人件費が高いと、そこはオートメーション化しようという動きが出てきます。すると、本来人が入れる枠がAIに取られてしまうんですね。だからAIが入ってこないように、人がその分野を守ってAIを追い出していく必要があります。一方で極端な人材不足は避けたい。AIが入ってくると便利に見えるようで、苦しむのはそこで働くはずだった「人」です。
AIを管理したり作る技術者も必要だから、需要はあるだろうと思うかもしれませんが、それをするのはほんの一握りのトップの技術者達です。
チップ製造ではTSMCやNvidia、AIサービスではOpen AIやGoogleあたりが独占していて、ごく少数が独占している状態です。
実はアナログ回路設計はAIが入りにくい、数少ない分野だったりします。
これは私の個人的な印象なんですが、アナログ回路技術者は、難しそうに仕事するんですね。他の部署の人が来ると、大変だ大変だと言って仕事して、実はやってみると他の部署とあんまり差がないぐらいの難しさです。
難しそうな印象を持たれていて、あんまり人が入って来ないんですね。実際に、日本でも回路設計者は昔から不足気味で、その昔デジタル回路設計の部署だったり、情報系の部署だったり、その他の部署がリストラされる中、アナログ回路設計の部署はリストラされませんでした。この話はまたいつかしようと思いますが、AIが入ってくるほど人材不足ではないけど、それなりに人材不足という状況で結構おすすめな分野です。
以前に、回路設計の人材が足らなくて、なんとかAI化できないでしょうかなんて話をされたことがあるんですが、AI化してもいいですけれど、リストラされるのは依頼してきた貴方達ですよというような話になって、この話は無かったことに、なんてこともありました。
風が吹くと桶屋が儲かるとか、ゴールドラッシュで儲けたのはツルハシ屋、という話でもないですが、AIは莫大な電力を食らうんですね。それこそ、学習に原発1基分で換算するような具合です。なので、AIが成長して美味しいのは、その周辺分野になるでしょう。これから工学系の分野に進もうとしている方はよく考えてみると、良さそうな分野がいくつか見えるかもしれません。ガッツのある方は金を掘り当ててもいいですが、どうでしょうか。
空前のAIブームが来ていますが、これからあらゆる分野で、人が必要ではない時代が加速していきます。既に銀行などもリストラしているなんて話を訊きますし、これからという人は不安な時代になるかもしれません。
ところで、エフェクターにもAIが導入されつつあるようですね。エフェクターでAIが話題になったものというと、Neural DSPのQuad Cortexですが、あれが発売された頃、2020年ごろでしょうか。ChatGPTのCの字もないぐらいの時期で、AIなのに対話できる機能は無いのか、なんてここで言った記憶があるんですが、現実的になってきました。
こんな音を出したい、と伝えると、希望通りのサウンドを設定してくれるようなエフェクターが出てきそうです。
冗談のように思われるかもしれないんですが、HCI(ヒューマンコンピュータインタラクション)の分野では、あらゆる機器のバーバルコミュニケーションによる操作は目指されていて、AIブームによって実現されつつある、というような話だったりします。
そうなると、複雑な操作のマルチエフェクターは淘汰されて、モデリング技術も向上すればコンパクトエフェクターもいらない、なんとも味気ない時代が来るかもしれません。モデリングによる再現が難しいエフェクターもありますが、多くはありません。
ただ、自作の楽しさを感じられるのは人間だけですから、ぜひ自作文化は残って欲しいなと思います。

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