今回はオーバードライブの名機と名高いLandgraf DODの自作について紹介します。
多分私のブログでLandgraffを紹介するのは初めてですね。
なぜ今まで記事にしなかったのか、謎です。
ちなみにLandgraffというのは創業者本人の名前だそうで、現在では既に亡くなられています。
プレミア価格で当時新品価格7万円で販売して叩かれた、なんて話も聞きますが、そんな時こそ自作してしまえば良いのです。実際DODは自作の定番ですからね。
パーツや基板レイアウトをまとめているので、自作される際に参考にしてみてください。
パーツリスト
●抵抗
- 100R …1個
- 220R …1個
- 1K …5個
- 10k…8個
- 510K …2個
- 2.2M …1個
- 4.7k·····1個 LED保護抵抗
実機の方はカーボンコンポジットやPRPを使っているらしいですね。
ビンテージパーツを売りにしているエフェクターも多いですが、とりあえずカーボンコンプは性能が悪くなるだけなので、普通のカーボン抵抗、若しくは金属皮膜抵抗で大丈夫です。
わざわざ性能の悪い方を、何倍もお金を出して買う必要はありません。
PRPも無駄に高いですが、特に性能が良いということも無いのでこちらも普通の金属皮膜抵抗で大丈夫です。
まあ自作なので、高性能化のためのアドバイスということで自由に作ってみてください。
■コンデンサ
- 51p…1個 セラミック
- 0.022μ·····1個 フィルム
- 0.1μ·····2個 フィルム
- 0.22μ·····3個 フィルム
- 1μ·····1個 電解→フィルム
- 10μ·····1個 電解→フィルム 1μ
- 47μ·····1個 電解
- 100μ·····1個 電解
やたら電解を使っていますが、電源部以外はフィルムコンデンサの方が高性能になります。
出力側の電解をなぜ10μにしているのかよく分かりませんが、ここまでの容量はベース用だとしても必要ありません。
1μでも十分なぐらいですが、どうせならフィルムにしてしまいましょう。
ファズフェイスやワウなど古いエフェクターを使う方はタンタルコンデンサにしてください。
あとは電源部が貧弱ですかね。出来るなら2~3段のフィルターを設けた方が良いでしょう。
▲ダイオード
- 1N4148·····3個
- LED·····2個 赤色
実機だと4148は914らしいですね。914だと音が籠るなんて話を聞きますが、まあこの辺りはお好みで。
ただし914の内1つは電源部の逆接続防止用として使われているみたいですね。あまり見ないですが、電源部を強化するなら手に入りやすい1N4001にしておくのが無難です
回路図通りなら914で大丈夫です。
増幅率が高い時は完全にハードなクリッピング、やや低めの増幅率の時は少しなだらかなクリッピングになりますが、LEDと小信号用ダイオードではかなり差があるので、シリコンダイオードに置き換えてみるのも良いと思います。
◆半導体IC
- 4558·····1個
- 2SC1815BL·····2個
DODはほぼTSなんですが、ブティック系やTS系のコピーをしているメーカーでバッファを入れているのは珍しいですね。大抵のブティックはコストカットの為か何なのか分かりませんが、バッファを無くすという改悪をしがちなので企業努力と言えます。
バッファ回路はオペアンプにしたり、FETにしたりと改造を楽しめる部分なのでやってみて下さい。せっかくなのでバッファードバイパスにするのも有りです。
★可変抵抗
- 100kA·····1個 Vol
- 25kB·····1個 TONE
- 1MB·····1個 Gain
要するに増幅率の高いTSですよね。これに十数万出すくらいなら自作して自分専用エフェクターを作った方が良いと思うんですけどね。エフェクターは貴金属ではないです。
▼スイッチ
- SPDTトグルスイッチ·····1個
その他ケースやLED、ジャック類、スイッチ類等忘れないように買いましょう。
基板レイアウト
このレイアウトが比較的良さそうです。
パーツのリード線をはんだ付けしていくというやり方なら、可変抵抗までのパターンは無い方がやりやすそうですね。パターンの引き回しを考えると寧ろそっちの方がいいかもしれません。特にVbの引き回しが目立つので、これだけでも配線材を直付けした方が良いでしょう。
51pが離れているのでオペアンプのピンの真横に配するよう工夫してください。このレイアウトなら横に1マス増やすか、直付けすれば可能です。かなrり歪んで高調波が出てしまいそうなので、もう少し大きくするのも有りですかね。
http://www.matsumin.net/diy/jisaku1/Lg_DOD/Landgraff_DOD_sch.jpg
それと、大抵電源部には0.1μのセラコンを入れるべきなんですが、無いですね。増幅率はTS系の中ではトップクラスに高い上に、回路がちょっとおかしいので不安定になると思います。
もし発振したり動作が不安定であれば、オペアンプの8番と4番ピンに0.1μのセラコンを直付けしてみてください。
そして電源部にOSコンみたいな風潮がありますが、OSコンは漏れ電流が大きいので普通の電解コンデンサで大丈夫です。
全体的にTSの定数を数か所変えただけなので、TSを自作した事がある方なら問題なく作れると思います。バッファが入っている分少し難しくなるかと思うので、自作の一発目にしては少々難易度高めですかね。
自作する上で気を付けるべき点は以上です。回路については解説編で·····
まとめ
もはやTS系と言えるのか微妙なぐらい増幅率の高いDOD、いかがでしたでしょうか。
クリッピング素子を変えるなりすれば、改造が楽しめそうなエフェクターですね。
個人的には増幅率が高すぎてノイジーになると思うので、3分の1ぐらいの増幅率で閾値の低いダイオードを使って同じような歪みを、なんて事を考えてしまうエフェクターでした。
別にエフェクターのクリッピングダイオードは、1N4148、LED、1N4001、1N60のどれかから選べ、というわけではない無いので、その回路に合ったダイオードを使えばいいのです。しかし現状は上の4つ以外使われるのはほぼ見ないので、なんとも言えない気持ちになります。
とは言えDODと同じクリッピングを再現するとなると骨の折れる作業なので、依頼でも来ない限りやりたくは無いです(^ω^;)
最後まで読んでくださってありがとうございました( ˆ ˆ )/
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